日田と川のつながりを紹介するときに、「水郷ひた」というキーワードは外せません。
はじめてこのキーワードをみる方は、「すいごう・ひた」と読みませんでしたか?日田を冠するときは、濁らずに「すいきょう・ひた」と読みます。それほど日田の水や山、人情までもが清らかだということを表しているんですよ。
そんな水郷のシンボル「三隈川(みくまがわ)」は、奥日田エリアを流れる「大山川(おおやまがわ)」と、天瀬エリアを流れる「玖珠川(くすがわ)」が合流して、日田市の中央を流れる大きな河川です。熊本・大分(日田)・福岡・佐賀の4県をまたがる「筑後川」の上流部にあたります。
この三隈川、鮎の産地として全国的に名を馳せていて、最古の記録では奈良時代、733年に編纂された「豊後風土記(ぶんごふうどき)」に、豊後の国を代表する鮎河川としてすでに日田川(現在の三隈川)が挙げられています。(参考:出典 櫻木利光著「香魚の話」)
近代では、美食家として知られた木下謙次郎が、食に対する知識を記して当時ベストセラーを記録した「美味求真(びみぐしん・1952年発行)」の中で、鮎の産地として「日田川(三隈川)」は昔より我が国第一の称(たたえ)あり」と三隈川の鮎をたたえているほどです。
今でこそ鮎の天然遡上がなくなった三隈川ですが、稚魚の放流によってその歴史は脈々と受け継がれています。また、美しい水を活用した養殖業も盛んです。日田の美しい環境で育った鮎は、別名「香魚」とも呼ばれる所以である「スイカのような独特の香味」を存分に味わえますよ!ぜひ、日田名産の鮎を食べてみてくださいね。